字統

「字統」は字源辞典である。
白川静博士の編纂によって、漢字の成り立ちだけに特化した辞典である。
中国には説文解字から康煕字典に至る伝統的な字書がある。
例えば、日本の多くの漢和辞典でも採用されている部首とその順序は、康煕字典に依っている。
しかし漢字の意味、成り立ちについては誤りも多く、それを補足するように様々な注釈が存在している。
白川静氏は漢字の起源、文字の成立に遡って意味を探り、その字形の系列から研究する文字学を唱えている。
20世紀以降発掘された多数の甲骨文資料を踏まえて、漢字が文字として成立した古代中国の世界観を捉えているため、説文解字が漢字の起源とした篆書よりさらに数千年前に遡って漢字の成り立ちを捉えているということである。
この辞書は調べるための辞書というより、読むための辞書だという。
収録されているのは、約6,800字。
ぽつぽつ拾い読みしてみると面白いが、いつ読み終えることができるやら。



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