淡墨(続き)

余っていた宿墨を薄めて書いてみた。
適当に、墨場必携の夏の部から、詩文を選んだ。

 日暖魚跳波面静 風軽鳥語樹陰涼 (歐陽脩)

こうして写真で見ると、何となく薄いだけ、或いは、写真の画質が悪いように見えるが。

こうしてアップにすると、墨とにじみによって、線が交差するあたりは、立体的になっているのが見えるだろうか。
運筆が遅いと濃く、早いと薄くなり、遅すぎるとにじみが出るようだ。
ということは、起筆の筆の置き方に、躊躇しているひまは無い、ということか。

だが、どうも自分の書風では、今ひとつ活かしきれていない気がする。
もう少し大作で使うべきだろうか。
使った筆は、鳩居堂製「起龍」の3号、羊毛の長峰である。
かれこれ、10年以上使っているだろう。

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