道に






















夜道を歩いていて見つけた、工事用の何かなのだけれど、文字のバランスが独特の美しさがあるように思った。
中央の線からぶれることなく、まっすぐに書き継ぎ、かなり扁平な字形ながらも、そこには一息に書き上げたような、ゆるぎない気脈が感じられる。
それでいて、軽やかに筆が動いているようだ。
書いてある内容は何の事なのか判らない。
おそらく、数十年と書き慣れた方の手によるものに違いない。
数限りなく書かれては、工事が終わる頃には消えていくのだろう。
これを作品だと言いたいのではない。
書かれた字から、書いた人の、書いた状況が伝わってくるような気がした。
自分の作品についても、そんな風に感じてくれる人がいれば良い。

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