袖珍 五體字類

毎日使うものでもないのに、ちょっと手元にないと困るというものがある。
字典なんて、日常の生活ではほとんど開かない。
平日は会社勤めしているのだから、日常生活の大半では使わない。
だが、見たいときに手元に無いと気になる。
いちばん長く使っているのは、西東書房の「五體字類」なのだが、時々、角川書店の「書道字典」も使う。
どちらも、それなりの大きさがあって、持ち歩くわけにはいかない。
だが、こういう本こそ電子書籍になってくれないかとも思う。
探してみると、AmazonのKindleで「袖珍 五體字類」というのが売られている。
大正5年版のポケット版の「五體字類」ということらしい。
だが、私はKoboを使っているので、これは買えない。
説明を読んでいると、国会図書館のデジタルライブラリで、インターネットに公開されているという。
ここでは、明治時代の雑誌や、江戸時代の絵草子などが、公開されていたのを知っていたのだが、まさか五體字類まで手に入るとは夢にも思わなかった。
だが、実際に訪問してみると、サーバー負荷軽減のため、制約がある。
例えば、1回のダウンロードは50ページまでであるとか、ダウンロードを繰り返す際には30秒開けるとか。
しかも一冊の本にするには、ダウンロードしたファイルを結合しなければいけない。
これならば、確かにKindle版を買った方が安いかもしれない。
だが、IT業界にも片足突っ込んでいる以上、これぐらいの手間は、仕事に比べたら何ともない。
早速、ダウンロードを始めているのだけれど、画像本のため容量が大きい。
50ページで20MB、全部で400ページ程度あるので160MBにもなる。
これをパソコンに保存しておくだけでは、意味が無い。
ダウンロードが終わったら、ファイルを結合して、Googleドライブへアップロードしよう。
そうすればどこでも見ることは出来るのだけれど、160MBをスマホにダウンロードすることを考えると通信料が馬鹿にならなくなる。
おそらく、再度スマホにダウンロードし、SDカードへ保存するだろう。
これでどこでも見ることは出来そうだが、よくよく考えると索引がない。
字典であるのだから、索引から引けないとかなり不便だ。
そして、スマホでは画面が小さいので、字が見えない可能性がある。
ダウンロードの半ばにして、ちょっと面倒になってきたのだけれど、いったんは持ち歩いてみようと思う。
古来、文人とは隠棲し、風雅に遊ぶかのような存在かと思うが、最新のITサービスを利用する文人的なあり方は出来ないものだろうか、とも思う。

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