硯を買う話、再び

硯を買いに和歌山まで行ったことがある。
きっかけは友人から、和歌山は那智黒石の硯の紹介記事を見せてもらったことだった。
漆黒の石を削り、一点物の硯を作っているという。
もう手元にその記事は無いのだけれど、とても魅かれた。
30代のその頃は、休日に暇があると、バイクで一人旅をしていた。
そこで那智勝浦まで、長期休暇を利用してバイクで行く事を考え始めた。
東京から東名高速で名古屋まで行き、東名阪道を通って、あとは一般道で紀伊長島、尾鷲、熊野、新宮、那智勝浦へと向かう。
あまり旅行の計画をきっちり立てず、大まかなルートだけ決めて、後は当日に何とかすることにした。
バイクの旅はそれだけで、いろんな出来事があるのだけれど、ここでは割愛。
てんやわんやあって、いよいよ那智大社の参道下の駐車場に到着し、ここからは階段を上る。
そんなに急ではないが、けっこう歩いたように思う。
確か中腹辺りに目的の山口光峯堂はあった。(HPはコチラ
確か平日の昼間で、しかも熊野古道が世界遺産に登録される前で、あまり観光客もいなかったように記憶している。
目的の硯はほぼ掌大で、意外と小さいなと思った。
試しに墨を摺らせてもらえるが、実に滑らかだった。
今のように、大きな作品を書く場合には使わないが、小さな作品やかなを書くようになったら使おうと思う。

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