活版印刷

ふと思い立って、書道関係の名刺を作ることにした。
どんなものが良いのか、思い付かない。
サラリーマンとしての名刺をまじまじと見る。
名前、部署、住所、電話番号、メールアドレス。
書道関係でお会いした場合、何を伝えたいのか考えると、サラリーマンとしての名刺と同じだけの情報量は必要ないだろう。
色々と考えたけれど、まずは名前を覚えてもらえば良いのではないか、と思い至った。
シンプルに名前が伝わる名刺。
そう考えると、紙にこだわるか、印刷にこだわるかだろう。
だが、どちらも詳しくない。
ネットで名刺作成をしている印刷業者のサイトを見ていくうちに、活版印刷が気になった。
昔読んだ宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の主人公ジョバンニが、活字拾いのアルバイトをしていたシーンが記憶に甦ってくる。
調べると、厚手の紙に凹凸を伴って名前が印刷されているのが、シンプルでありながらなかなか味わい深い。

そんな経緯で作った名刺は、来週届く予定である。
作品を見に来ていただいた方に、名前を覚えていただけるようお渡ししたいと思っている。

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