龍門二十品

以前、とある先生と書の話をしていた。
展覧会に私が出品した楷書の小品についてだったと思う。
その中で、君は北魏の楷書を勉強した方が良い、と仰られた。
楷書といえば唐代に完成した書体であり、欧陽詢や柳公権といった書家の方が馴染みがある。
知識として知ってはいても、あまり接する機会もなかった。
2年前の王義之展の際に、台東書道博物館でこの「龍門二十品」の拓本を拝観した。
同じ楷書とは言え、普段、接することのないフォルムが面白いと思った。
筆で書いたものとは異なる文字の形、線、流れが、確かに学ぶべきものがあるかもしれない。
もう何年も言われた、とある先生の言葉がふと蘇って来たのだった。
それから法書選を買うまで、更に2年かかった。
時が経たないと分からない言葉もあり、次の行動までに時間がかかることもある。
 


コメント