2021年を振り返る

恒例にしている今年の反古の山であるが、あまり量はないと思った。
比較のために三省堂の新明解国語辞典、赤色繫がりで福島の赤べこを並べてみた。
夏の台東展、冬の書海社展に出品したが、時間が取れなくて余り書けていない。
そんなのただの腕の無さへの言い訳じゃないのかという気もするが、会社勤めの方で残業時間が例年より多かったというのは事実。
書けない分、見て勉強をしたのかというと、こちらもあまり展覧会に行けていない。
コロナ禍の自粛要請の中、おずおずと再開した展覧会もあれば、展覧会の開催にあたっての制限が厳しくなって、ふらっと出かけられない状況もあったり、そんなことを嘆いたり、文句を言ってみても始まらないのだけれど 、展覧会というものが変わるんじゃないだろうか、という気がする。
書について何か考えたかというと、こちらもブログの更新が滞っているように、あまり新しいことはない。
「三題話」の記事に書いたように、文房具で新しい万年筆やインクを手に入れたというのは、書ではないけれど、書くことの延長にあることのように思う。
去年辺りからTwitterの方では、朝活書写というハッシュタグで、近現代の名文をペン字で書写する投稿が目に留まった。
これは文字は入力することが既に日常であり、文字を手で書くことは非日常なのだということなのだと思った。
それが良い悪いという話ではなく、そもそも書くという行為が、今までとは違うものになっているのではないだろうか。
書くための道具としての筆というものが、日常と非日常の境界を越えて、非日常の中でも特別なところに位置付けられて、書というものがさらに遠い存在になったようにも思う。
だが一方で、SNSでの書写というものが、どう位置づけられるのか考えてみる価値があるかもしれない。
ともあれ、光陰矢の如し。
やりたい事は先にやらないとと思った一年であった。 
ブログを読んでいただいた皆さん、展覧会等でお世話になった皆さんに感謝します。

コメント