国立博物館メンバーズパスと桜と「清朝碑学派の書」展

先日、東京国立博物館に行ってきた。

東京国立博物館は上野公園の北端にあって、ちょっと格式の高い博物館だと思っている。

子供の頃は、京成線の博物館動物園駅から地上に出て、上野戦争の弾痕の残る黒門の前を過ぎて、正門に廻った。

もっとも上野戦争のことを知ったのは、大学生の頃に読んだ杉浦日向子の「合葬」という漫画なので、子供の頃は黒門にそんな謂れがあったことは知らなかった。

最近は、JR上野駅公園口から動物園方面に進み、西洋美術館の前を通り過ぎて、竹の台噴水の脇を通って、正門に向かっている。


 

国立博物館メンバーズパス

国立博物館の入場料は、学生の頃は数百円だったように記憶していたが、今は常設展でも1,000円かかる。

それが高いとか安いとかいうことではなく、何度も通うには財布の状況に左右されてしまうと思っていたのだが、期間内なら何度でも入れる年間パスポートがあるというのをちょっと前に知った。

2,500円なので3回以上訪れるのであれば買った方が良い。

タイミングを見計らっていたのだが、悩んでてもしょうがないので、買ってしまった。


このメンバーズパスで、東京だけでなく京都、奈良、九州の国立博物館にも入場できるので、できれば行ってみたい。

「中国の書跡 近代の書」

常設展の内容は3か月程度で入れ替わるらしい。(いつからそうなっていたのかは不明)

現在、東洋館では清代の書が展示されているので、ちょっと観てみようというのが、今日の来館目的である。

清代は金石学の発展によって、碑学派が多いに流行ったので、篆書、隷書といった書体に特徴がある。

正門に入って右側が、東洋館であり、その4階8号室が目的の中国の書画コーナーである。

今回は書と共に、近代絵画の展示もあった。

自分で書かない書体ではあるが、篆書の聯や屛の作品が良かった。

中国からの観光客と思われる数人と、春休み中の学生と思われる数人ぐらいしかいなかったので、シートに座って大軸をしばらく眺めてみたりした。

庭園の桜

敷地内は大きな建物がいくつかあるが、その裏に庭園と茶室がある。
何度も訪れているのだけれど、庭園を歩いてみたことが無かったので、ちょっと周ってみることにした。
東洋館と本館の間から木立の中を歩くと、いくつかの桜の木は花がつき始めている。

また、木々の間には茶室がいくつかあるのだけれど、残念ながら中を見ることはできなかった。
ぶらぶらと散策して、池の畔にはひときわ大きな枝垂桜が咲いていた。


たぶん満開の頃は、もっと華やかなのだろうけれど、これだけでも風情がある。

「書画の展開 ー 安土桃山~江戸」

せっかくなので、本館の2Fもぐるりと回って観ることにした。
日本美術が年代順に並んでおり、美術の教科書で観たものの、実物が展示されていることがある。
以前、日本の水墨画を観に来たのは、学生の頃だったろうか。
ぶらぶらと歩いて気になったものだけ観ていたが、やはり書画が気になる。
戦国時代以降の唐様の書、そして狩野派をはじめとする日本画が面白い。
円山応挙の大屏風など、なかなか見応えがあった。

「清朝碑学派の書」

せっかく上野まで来たので、もう一息足を延ばして、鶯谷の台東区立書道博物館まで行ってみることにした。
現在は、中村不折コレクションから「清朝碑学派の書」という企画で展示を行っている。

年初に開催される連動企画ではないものの、展示内容が関連しているのが面白い。
中村不折コレクションからの展示のため、拓本の展示がメインとなっているが、清代の書家の軸もいくつか展示されている。
4月24日までが前期展示、6月12日までが後期展示となっていて、途中で展示替えがある。
こちらの中庭の桜は未だ蕾だったので、咲く頃にまた来よう。

 

 

 



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