サードプレイスについて

サードプレイスと何かというと、アメリカの社会学者、レイ・オルデンバーグによって提唱された概念で、邦訳はみすず書房から出版されている。
自宅、職場をファーストプレイス、セカンドプレイスと数えて、それらとは異なるコミュニティを指して、「サードプレイス」として位置付けている。
サードプレイスには以下のような8つの特徴がある、としている。
  • 中立領域
  • 平等主義
  • 会話が主たる活動
  • アクセスしやすさと設備
  • 常連・会員
  • 控えめな態度・姿勢
  • 機嫌がよくなる
  • 第2の家
本の中ではアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの例を引きながら解説しているが、日本の例はない。
想像するに、日本であれば「行きつけの呑み屋」のような存在だろうか。
だが、呑めない人には無いのかというと、そんな事は無いだろう。
常連さんが集まる喫茶店、溜まり場になっているファストフード、もしかすると赤ちゃんを連れた若いお母さんが集まる公園にも存在するのかもしれない。
何か組織や団体としてではなく、例えば、呑み屋の常連客の集まりでありながら、社会を構成するコミュニティの一つとして機能しているようなもの、という存在である。
恐らく、欧米の例にそのまま当てはまるような存在は、日本には無いかもしれないが、概念としては面白い。
2000年に出版された本なので、まだ、論考の射程に入っていなかったのかもしれないが、ネット上のコミュニティにも当てはまるのではないかと思う。
このサードプレイスという概念を現実に機能させるにはどうした良いか、という事はこの本では明かされていない。
むしろ、形成されている場所や構成する人に依存してしまうようにも思える。
会議であればファシリテーター、展覧会であればキュレーター、そういったコミュニティにおける核となる人、キーマンの振る舞いが重要なのだろうか。
様々なコミュニティで観察してみよう。


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