サードプレイスを探して(東京国立博物館)

雨の日曜日、東京国立博物館を訪れた。
台風が近づいてるせいか、激しい雨が時々降るし、雷鳴まで聞こえたようだ。
バスが到着したのは東口の交差点の向こう側。
歩道橋を上り、駅の構内を通り抜けて、上野公園を抜けるまでに、足の下半分はずぶ濡れになっていた。
雨用のスニーカーよりも、レインブーツが必要だったかと、すれ違う女性の足元を見て思った。
本当は上野公園で開催されているイベント「台湾吉日」でステージでも遠くに眺めながら台湾の屋台料理でもつまみたいと思っていた。
イベントは雨天決行だったが、風雨で何か立ち食いできるような雰囲気でもない。
早々に噴水広場を通り抜けて、東京国立博物館に入館する。
いつもの通り東洋館に立ち寄る。
エジプトの猫の神様であるバステト女神像があるらしいことをe-国宝で調べていたので、実物を見ようと思っていた。
大きなセクメト女神像は記憶にあるのだけれど、バステト女神像は記憶にない。
エジプトは西アジアとして扱われており、2Fのため階段で上がる。
いつもの日曜の荷物が雨のせいか、重く感じる。
西アジアと言っても、パキスタン、アフガニスタン、イラク、イランもあるのだから、エジプトの割合は少ないのだが、本物のミイラがあったり、大きなセクメト女神像が2体も鎮座している。
セクメト女神は恐怖の女神であり、太陽神ラーに抗う人間を罰するために遣わされ、人間を殺して回ったという。
それはともかくバステト女神像を探したのだけれど見当たらなかった。
諦めて4Fの中国の書画へと向かう。
今週は清代の楷書、行書、草書が展示されている。
碑学派が隆興した陰で、帖学派も活躍していたのであり、爛熟ともいえる様式になっていたのではないかと思った。
ともあれ、荷物が重すぎた。
だいぶ草臥れたので、1Fの軒下で休むことにした。
雨が吹き込んで濡れないよう建物側のチェアに座り、雨の降り続く中の本館を眺める。
謎解きゲームを開催しているらしく、10代の若者たちが多くいたのだが、なんだかとても静かな時が流れていたような気がした。
頬杖をついてぼんやり眺めているうちに少し居眠りもした。
それでも雨は静かに降り続き、それをぼんやりと眺めていた。

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