書道博物館「抵抗と恭順(リターンズ)」展

11月から始まった「抵抗と恭順(リターンズ)」展を拝観。
明末から清初にかけての企画展で、2007年にも同じ企画で開催されたらしいけれど観ていない。
科挙制度で進士として認められたものは皇帝に仕える。
しかし、王朝が変わると今までの主君への忠節を守るのか、世間の批判を浴びてでも新しい皇帝に仕えるのかの選択を迫られる。
政治と行政が分離している現代では、ちょっと距離を感じる価値観だけれど、「忠臣は二君に仕えず」と言って、それで書の評価も変わったりもしたらしい。
ともあれ、草書を勉強するのであれば、明は外せない。
今回の展示では、清朝に仕えることを抵抗した書家と、清朝に恭順した書家の色分けをしている試みは、面白いと思った。
だが、個人的には今まで臨書を学んできた、董其昌、張瑞圖、傅山を始め、王鐸、黄道周、倪元路、成親王と法帖全集で観ていた書の本物を見ることができたことが良かった。
また、邢侗、査士標、祁豸佳といった書家の書も面白いと思った。
後期には入れ替えもあるので、また観に行こうと思っている。


 


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