「王義之と蘭亭序」展

東京国立博物館と台東区書道博物館の連携企画の「王義之と蘭亭序」展を観にふらりと出かけた。
既に正午をまわった電車の車内は暖かく、モンテーニュを読みながらちょっとうとうとした。
鶯谷の改札を出ると、右手に居酒屋の信濃路が見える。
雑多な駅前を過ぎて、根津に抜けるガードの下を通ったら、雑居ビルで日本刀の展示即売会をやっていた。
気にはなるが寄りはしない。
工芸品として、手に持ってみたいとは思うが、所持するとなると、たぶん様々な申請など必要になるのだろう。
いつものように書道博物館に着いたが、時間が違うせいか、看板に日差しがかかっている。
今回の企画展は20周年記念ということで、原点に戻ったそうである。
だが、20年前は観ていない。
今回の企画は人気があるのだろうか、気のせいかいつもより人が多い気がした。
書道博物館側は淳化閣帖、十七帖、そして様々な蘭亭序の模本が展示されている。
しかし、大量の模本が作られた理由が、真筆は唐の太宗が一緒に埋葬させたというエピソードも凄い。
また、書だけでなく、蘭亭硯が二面展示されていた。
米芾の易義帖、高野切、中林呉竹の臨書なども見応えがあった。
まだ余力があったので、東京国立博物館まで歩いて、展覧会をはしごしてみた。
東京国立博物館の会場は、東洋館の4階フロアで、いつもよりエリアが拡大されている。
こちらは双鈎填墨で作られた模本の妹至帖、大報帖、また、王鐸、傅山、包世臣、朱耳らの臨書、黄庭堅、張瑞圖の軸など、蘭亭序、王義之からの広がりに重心を置いた展示が見応えがあった。
張瑞圖の大軸の前のベンチでしばらく見とれていた。
また、蘭亭序に詠われている曲水の宴を題材にした絵も多く展示されている。
最後に図録を買って、いつもの通り庭園の散歩をした。
池の中に青鷺がいたので近くまで寄ってみた。
こちらは何の花だったか。
やはりデジカメは、なかなかきれいに写っている。

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