知らない町に暮らす(仮)

夜に散歩をしながらふと考えた。
今まで住んだことのない町に、どこでも引っ越して住むことができるとしたら、どこに住みたいだろうか
住んだことのある町なんて限られているし、住んだことは無くても知っている町ですら限られているのだから、選択肢は無限にあるんじゃないか、と思った。
その中でもどこか選ぶとしたら、どう考えればいいのか。
例えば、国で考えるとしたら、どうなるだろうか。
だが国で考えようとすると、どうしても旅行者の視点になってしまうような気がする。
そこに住みたいと思えるほど、その町を知ってはいない。
たぶん誰かの意見に、左右されているだけのようにも思えてしまう。
どうせ日本語しか話せないのだから、日本に限定してみたらどうなるだろうか。
ぐっと距離は近くなり、現実味を帯びてくるのだけれど、生活にまつわる色んな事が気になる。
だとしたら、
ある日、記憶を全て失くして、今までとは違う自分として生きることになったら、どこの町に住みたいだろうか
過去の記憶や、人間関係や、生活の基盤や、日常にまつわる様々な事を全てリセットして、誰でもない自分として生活するのだとしたら、一体何を最優先するのか、という考え方になるだろう。
そう考えると、東京に住むのが便利で良いのじゃないかと思う。
歩いていける距離に様々な店があり、交通網が発達していて、どんな風に暮らすか分からないけれど、どうにかなりそうな気がする。
逆に考えると、「どうにかなりそう」と思わせている生活の基盤のようなものがあれば、東京である必要はないのだとも考えることができる。
一方で、地方の商店街が寂れて、大規模なショッピングモールが建てられている、と聞く。
郊外のショッピングモールに出かける際に通り過ぎている町は、かつてそこで暮らしている人たちの商店街や学校や病院などがあって、そういった生活の基盤がショッピングモールに置き換わっていっているのだろう。
だとしたら、大型ショッピングモールまで歩ける距離に住めば、日本のどこに住もうとも、大抵はどうにかなるんじゃないだろうか。
全くもって身も蓋も無い。

UnsplashDan Meyersが撮影した写真   

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