第73回台東書道展を振り返る

今年も台東書道展が開催された。
Instagramに投稿したした写真を基に、ちょっと振り返ってみようと思う。

準備(運営委員会、搬入、審査)

展覧会の準備は、6月末の終わりの運営委員会から始まる。
実際にはその前に幹部の先生方の会議もあったりしているけれど、運営委員会で集まりことsの展覧会の方針や諸事項の確認を行う。
残念ながら写真を撮り忘れているが、東上野区民館にて開催された。
そこで、出品票が集まっているため、これを確認し出品点数が分かる。
次に集まるのは搬入の日である。
今年は平日であったため出席できなかったが、何とか午後の一般部作品の審査の途中から参加した。

前日(陳列)

会期の前日は陳列の作業である。
とにかく暑い日であった。
美術館に入館できる時間には早すぎたので、美術館の手前にあるスタバでコーヒーを飲む。
上野公園内のスタバは外国人観光客も多い。
ショーケースの前でうろうろしている中年女性の外国人に順番を譲られ、本日のコーヒーを頼んだら、たぶんトールサイズが出てきた。
Shortって言わないと、Tallになるのか。
ちょっと多いな、と思いながら飲んでいたら、隣の席に置いてあった日傘を、外国人カップルの男性が、これはお前のか?みたいな質問をしてきた。
英語のようだけど良く分からないけど、Noと答えるとどかして座ろうとしているので、誰か取ってると思うよ、と「Someone reserved.」と教えてあげても通じてない。
男性がGoogle翻訳を出してきて、話せというので、日本語で言ったら、スペイン語に翻訳されていた。
お互いに慣れない言葉で会話してたらしい。

毎年のことながら、陳列は忙しい。
受賞作品、審査員作品、鑑査員作品、一般作品、小品コーナー、海外作品、教育部作品と各部屋を諸先生にお任せして、作品を並べてもらい、全体のバランスを見て回る。
作品の大きさも全部が同じではないし、作品の持つ雰囲気もそれぞれに異なっている。
同じ雰囲気のを並べてしまうと、お互いの作品が打ち消し合ってしまうし、異なる作品を並べても上手く流れがつかなかったりする。
これで良いかな、と思うと、不具合が見つかったり、やり直しがあったり、毎年担当していても難しい。

会期中

いよいよ開催当日。
正面玄関から入っていく。
新しいスマホのカメラだと、空の色が絵画のような色になっている。
建物に入って公募棟の一番手前エレベーターで2階が会場である。
夏休みという事もあり、区の小中学校からの選抜作品を目当てに来られる親子連れの方も多いし、各先生のお弟子さんもいらっしゃったりしている。
会場の一角には休憩コーナーもある。
奥まっていて目立ちにくいところだけれど、上野動物園の裏手に面していて、静かな落ち着いた空間である。
こちらは搬入口で、関係者外立入禁止である。
受付当番の際、早めに入館する際に撮影した。

表彰式

今年は表彰式のお手伝いも行った。
これは会場設営の様子。
自分が受賞した時以来で、ちょっと懐かしい。
小学生、中学生、高校生、大人とそれぞれ受賞者が賞状を受け取る。
子供たちの方が受け取り慣れしているような気がしたのは気のせいだろうか。
上澤淡山先生に久しぶりにお会いして、お話ができたのも良かった。
表彰式の後は懇親会で中華料理にビールにハイボールでだいぶ吞んだ。

最終日(搬出)

東京都美術館の入口で東門というのがある。
正面から入ると大きなステンレスの球体の彫刻があるが、こちらは大きな岩にいろは48文字が刻まれた作品がある。(写真右)
最終日も多くの方の来場いただき、閉会となった後にも来場された方がいた。
作品は取り外され、地下の審査室の前にまとめられ、各表装店の搬出を待つ。
小品の多くは先生方が持ち帰ることになったのだけれど、額を入れる箱が無いというトラブルが発生した。
どこかに紛れ込んだのかと探すが見当たらず、何のことは無い搬入の際に表具店が持ち帰っていたことが判明。
その後は、反省会を経て、展覧会の全日程が終了した。

実際には多くの先生方が協力し合って展覧会が運営されている。
作品を作って、展示すれば終わりという事は無く、山ほどの裏方の仕事があって、それぞれの先生が担当して進めている。
たぶん自分が担当しているのはほんの僅かだけれど、休みを使ったりしてこうして参加して、また来年の展覧会が楽しみになっている。

最後に自作を紹介しておく。

※作品の写真以外はInstagramで公開済。Instagramアカウントはこちら https://www.instagram.com/wahow_kobayashi/

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