書道博物館は1月4日から開館するので、早々に「拓本のたのしみ」展を観に行った。
毎年の年初に開催される東京国立博物館との連携企画展である。
日程的に東京国立博物館の方が先に開館してたので、先に観てしまったが、この企画展は書道博物館から先に観た方が良い。
今回はある特定の書家にフォーカスを当てるというより、拓本の様々なヴァリエーションにフォーカスを当てている。かなりマニアックな方に振り切っている企画だと思った。
例えば欧陽詢の「九成宮醴泉銘」は、前期後期合わせて11種類も展示される。
幾つか並べてみると、確かに写し取られた線の質が異なっているのが分かる。
例えば欧陽詢の「九成宮醴泉銘」は、前期後期合わせて11種類も展示される。
幾つか並べてみると、確かに写し取られた線の質が異なっているのが分かる。
他にも現物の石碑が散逸し拓本のみが伝わる「孤本」や、王義之の「十七帖」の様々なヴァリエーションなど、たぶん一般の書の美に触れたい人に向けてというよりかなりマニアックな見方を要求されていると思う。
展覧会の意図が何となく分かって、もう一度、東京国立博物館の展示を観に根岸から上野桜木を抜けて歩いてゆく。
途中、黒田清輝記念館があるので、寄ってみる。
展覧会の意図が何となく分かって、もう一度、東京国立博物館の展示を観に根岸から上野桜木を抜けて歩いてゆく。
途中、黒田清輝記念館があるので、寄ってみる。
黒田清輝の「湖畔」「智・感・情」といった代表作が実際に観れる。
建物も素晴らしく、階段のこの光の感じがいつも良いなと思っている。
出ると、かつての博物館動物園駅の跡がある。
子供の頃は、京成線に乗ってきて、ここで降りて美術館や動物園に行った記憶がある。
切符も硬い厚紙で、有人改札でパチンと切ってもらった。
今でも時々、イベントなどで使われているらしい。

改めて東京国立博物館の東洋館の4階に向かう。(写真は2日の様子)
ここまで混んではいなかったけれど、いつもより人は多い。
何となく中国系の観光客らしき人は2~3人で書を指さしながら何かをまくしたてるようにしゃべっているし、高齢の書道マニアっぽい人たちは片っ端からスマホで写真を撮りまくっている。
こちらは、拓本の違いを鑑賞するというより、拓本を愛でる明清代の文人の作品などを展示している。
例えば、王鐸、傅山らの臨書、文人を描いた南画といったものが展示されている。
こちらの展示では、顔真卿の「千福寺多宝塔碑」、李邕の「李思訓碑」の拓本が気になった。
今年は書の方にももう少し力を割こうかと思った。
2月に展示の入れ替えがあるようなので、後期展示も見に行かねば。
寛永寺の建物の大半は、上野戦争、関東大震災、太平洋戦争などで焼失してしまっており、今の根本中堂の建物自体は川越の喜多院から移設したものらしい。
ちなみに、2日3日の特別公開時に、東京国立博物館のチケットを提示すると、御はなびらが貰える。
お堂の中は撮影禁止だが、煌びやかな仏像や装飾と徳川家の歴代将軍の肖像画が飾られていて、中央でご焼香を上げる。
芝の増上寺と並ぶ、徳川家所縁の寺なので、むべなるかな。
Wikipediaによると東の比叡山だから、東叡山というらしい。あまり徳川家にも仏教にも思い入れは無いのだけれど、財布につけるとんぼ玉欲しさに行ってはおみくじを引いてしまう。
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